税理士法人GrowUp / 実践共有

プログラムを書けない税理士が、
AIで自社サイトを公開するまで

GPT・Claude・画像AI・人間判断を組み合わせ、
サービスサイトを自社主導で育てる方法

〜 税理士法人GrowUp / shiga-ma.jp の事例から 〜
2026.05 / takamichi ochi
SLIDE 01 / 23
Section 01GrowUp

SECTION

今日お伝えしたいこと

Web制作会社に頼らない、という話ではない。 自分たちで判断できる状態をつくる、という話。

役割を分けて使った
人間・GPT・Claude・画像AI
違和感と希望は、人間が入れた
AIに丸投げしない
小さく作り、確認し、改善した
公開して終わりではなく、育てる
Section 01 — 全体観GrowUp

CONTENT

これまでの進め方と、今回の進め方

優劣の話ではなく、選んだ進め方の違い。

これまでの進め方

  • 制作会社に依頼し、納品を受ける
  • 修正は依頼ベース
  • 公開後に止まりやすい

今回の進め方

  • AIと役割を分け、自分たちで育てる
  • 違和感を見つけたら、その日のうちに直す
  • 公開後も小さく改善を続けられる

制作会社を否定する話ではなく、事務所側が判断できる状態をつくる話。

Section 01 — 全体観GrowUp

CONTENT

何が変わったのか

作れたことではなく、進め方そのものが変わった。

速度
思いついた違和感を、その日のうちに直せる。
解像度
自分が何を選び、何を避けたかを言語化できる。
継続性
公開後も、自分たちで育てられる。
Section 01 — 全体観GrowUp

BREAKTHROUGH

過去の頓挫を越えた3つの転換点

フレームと中身は、AIラリーで前から作れていた。詰まっていたのはビジュアル領域。それが今回、解けた。

ファーストビュー
これまで
業種に合うFVが作れず、サイト立ち上げ自体を諦めた
今回ほどけた理由
GPT Image で、構図・トーンが納得できるFVが出るようになった
ページ間の統一感
これまで
下層ページごとに雰囲気がバラつき、ブランドが崩れた
今回ほどけた理由
.md / frontmatter に設計を記録できる。同じ枠に誰が書いても収まる
アイコン
これまで
既製の商用素材が自分の業種のトーンに合わなかった
今回ほどけた理由
Claude で SVG 生成。色・線幅もデッキと揃えられる

フレームと中身づくりは、AIラリーで前から作れていた。
最後まで走り切れなかったのは、ビジュアル領域。それが今回、解けた。

Section 02 — 事例GrowUp

CASE

今回の事例:shiga-ma.jp

滋賀県の中小企業向け M&A・事業承継相談サイト。

shiga-ma.jp トップページ
公開
2026年5月
対象
滋賀県の中小企業経営者
領域
後継者不在 / 廃業前整理 / スモールM&A / 仲介相談前の数字整理
立ち位置
売る前の整理をする税理士法人
URL
https://shiga-ma.jp
Section 02 — 事例GrowUp

DIRECTION

サイトの方向性

税理士法人としての必然性が伝わる方向に絞った。

避けたこと

  • 高く売る、をうたう
  • 買い手を探す
  • 無料査定の導線
  • M&A仲介会社風の売り込み

出したかったこと

  • 数字整理(試算表・予測)
  • 税金・借入・手残り・役員貸付金・個人保証
  • 廃業/承継/M&Aの選択肢比較
  • 滋賀県の地域性/士業らしい落ち着き

仲介会社が悪いのではない。税理士法人として何を担えるかを言語化した。

Section 03 — 体制GrowUp

SECTION

AI制作チームの全体像 — 中心は人間

AIに丸投げしたのではない。
役割を分けて、人間が判断した。

戦略勝ち筋を考える
実装コードを書く
画像ビジュアルを作る
確認違和感を入れる
人間を中心にAI制作チームが取り囲む図
Section 03 — 体制GrowUp

CONTENT

誰が何を担当したか

AI と人間で、責任の重さの違うところに役割を置いた。

担当 役割 主な仕事
GPT
戦略・構成・添削・改善 勝ち筋仮説、構成案、文章レビュー、Claude案の批判的添削
Claude
実装計画・コード修正・検証 サイトコード、リンク設計、動作検証、最小差分での反映
GPT Image
画像生成 アイキャッチ・ヒーロー画像・抽象イラスト
人間(税理士)
違和感・希望・最終判断 方向性決定、検収、公開判断、論調・表現の最終チェック
Section 03 — 体制GrowUp

PROCESS

制作ループ — どこで人間が判断するか

ループの中で、人間が握るのは「意図入力」と「検収」の2か所。

ループの順序

  1. 人間の意図を入れる(違和感・希望)
  2. GPT で大枠を考える
  3. Claude で実装計画を出す
  4. GPT でレビュー・添削
  5. Claude で実装する
  6. 人間が検収する(OK判断)

人間が握る2か所さえ手放さなければ、間のラリーはAIに任せられる。

Section 04 — 進め方GrowUp

PROCESS

サイト構築の全体フロー

9工程を時系列で並べる。各工程は1段ずつ AI と人間で詰める。

01
目的整理
02
勝ち筋設計
03
ページ構成
04
デザイン方向
05
実装
06
導線整理
07
公開前チェック
08
公開
09
改善

各工程の前に GPTで「この工程で何を決めるべきか」を確認、その後 Claudeで実装計画、人間が違和感を入れて 反映。 公開後の「改善」も同じループに戻る。

Section 04 — 進め方GrowUp

SITEMAP

実際のページ構成

11ページ。それぞれが「相談前のどの段階」に対応しているかで切り分けた。

/ (トップ)
/options/3つの選択肢比較
/no-successor/後継者不在
/before-closing/廃業前整理
/before-ma-broker/仲介相談前
/small-ma/スモールM&A
/consultation/相談の流れ
/contact/お問い合わせ
/column/コラム
/privacy/プライバシー
/thanks/送信完了

/thanks/ は noindex。/column/ は今後 育てる枠。

Section 04 — 進め方GrowUp

NAVIGATION

導線整理:分散から、つながった構造へ

最初は下層が孤立していた。4本の動線でつなげた。

これまで(過渡期の自然な姿)

トップ内アンカー中心。各下層へ直接行く道が弱かった。

アンカー中心

今回(つながった構造)

ヘッダー/フッター/CTA/対応エリアの4本で常時アクセスできる。

ヘッダー フッター CTA 対応エリア
Section 05 — 公開GrowUp

CHECK

公開前のチェックポイント

公開直前に必ず通した6項目(フル13項目は付録Bへ)。

noindex 解除
公開時に検索除外フラグが残っていないか
canonical 設定
正規URLが正しく指定されているか
OGP 設定
タイトル・画像・説明文が反映されるか
Turnstile 動作
フォームのbot対策が動いているか
Console error なし
DevToolsでエラーが出ていないか
横スクロールなし
主要ブレークポイントで崩れていないか

フル13項目(robots.txt / sitemap.xml / www→apex / favicon ほか)は付録Bに収録。

Section 05 — 公開GrowUp

AFTER LAUNCH

公開後にやったこと

Search Console 周りを6ステップで一周。当日〜翌日に終わる。

01
GSC追加
02
所有権確認
03
sitemap送信
04
URL検査
05
インデックス登録
06
結果確認

公開当日にここまでやると、翌日にはインデックス確認まで進める。

Section 06 — 再現GrowUp

PLAYBOOK

同じように進めるための10ステップ

他事務所でもなぞれる順序。各ステップは1〜数日サイズ。

STEP 01
目的と対象を決める
STEP 02
立ち位置を決める
STEP 03
ページ構成を組む
STEP 04
Claudeで実装計画
STEP 05
GPTで添削
STEP 06
Claudeで実装
STEP 07
画像生成
STEP 08
公開前チェック
STEP 09
公開・GSC
STEP 10
改善ループ

各ステップで「人間の意図入力」と「人間の検収」を必ず差し込む。

Section 06 — 再現GrowUp

LESSONS

つまずいた箇所と対処

再現すると必ず通る3つの落とし穴。

つまずき 起きたこと 対処
よしなに実装 プログラム関係は何が危ないか分からず、後から修復に手間取った。 実装前に GPTに計画を疑わせる。安全性/将来不便/既存破壊リスクを先に確認。
AIの先走り Claudeは指示を出すと一気に実装まで進めてしまう。手直しの方が重くなる。 計画まで」「実装禁止」「ファイル変更禁止」のブレーキフレーズを明示。
公開設定 Cloudflare Access の Application 削除UIが disabled で動かなかった。 削除に固執せず Bypass policy 追加で一般公開。元戻しも容易な状態に。

「よしなに」は危ない。AIに作らせる前に、AIに疑わせる。

AIにアクセルだけでなく、ブレーキも持たせる。

目的は「きれいに消すこと」ではなく、「安全に公開すること」。

Section 06 — 再現GrowUp

COST

かかった時間と費用

高額な制作外注なしでも、既存AIツールと軽量なWeb基盤で検証できる規模。

かかった時間
約50時間弱
試験環境(自分のみアクセス)から本番公開まで。
コラム・地域ページはこれから育てる段階。
かかった費用
項目金額感備考
GPT約3,000円/月他業務にも使用
Claude約20,000円/月Claude Max 5x プラン。他業務にも使用
独自ドメイン(shiga-ma.jp)約4,000円/年
Cloudflare Pages追加費用なし既存無料枠の範囲

「無料でできる」ではなく、高額な制作外注なしでも検証できるという話。
AI利用料は他業務にも活きる。サイトは公開して終わりではなく、育てる段階に入る

Section 07 — 運用GrowUp

OPERATION

次に整えたい運用 — スタッフも関われる体制

Markdown と frontmatter を中心に、税理士の最終確認だけ残す形。

Markdown + frontmatter で記事を書く
draft / public をフラグ管理
H2 から目次を自動生成・プレビュー確認
税理士の最終レビュー → 公開
3人で書類確認とPC作業をしている様子

経営者だけでなく、スタッフも記事更新に関われる体制を整える。

Web制作会社に頼らない、という話ではない。
自分たちで判断できる状態をつくる、という話。
AIは人間の判断力を拡張する制作チームになる。
サイトは納品物ではなく、育てるもの。
違和感と希望を、自分たちが入れる。
税理士法人GrowUp / shiga-ma.jp / takamichi ochi
Appendix AGrowUp

APPENDIX A

AI依頼テンプレート(短縮版)

実プロンプトの要点。詳細版は別メモへ。

EXAMPLE 01 — GPT
戦略・構成を考えさせる
あなたは士業・BtoB・地域SEOに強いWeb戦略ディレクター。
M&A・事業承継サイトをつくる前提で、誰に何を
どの順番で伝えれば問い合わせにつながるか、
勝ち筋仮説を出してほしい。

前提:
- 税理士法人、滋賀県草津市
- 後継者不在 / 廃業前整理 / スモールM&A / 数字整理
- M&A仲介会社風の「高く売る/買い手探し/無料査定」
  には寄せない

出してほしいもの:
勝ち筋 / トップ構成 / 下層候補 / 導線 /
避ける表現 / SEO観点
EXAMPLE 02 — Claude
実装前の計画を出させる
shiga-ma.jp の導線整理(ヘッダー・フッター・
トップ内リンク)。
まだ実装しない。ファイル変更禁止、計画まで。

制約:
- 既存デザインを大きく壊さない
- 存在しないページへのリンクは作らない
- Console error / 横スクロール / リンク切れを
  出さない

出してほしいもの:
推奨リンク / ヘッダー案 / フッター案 /
CTA差し替え表 / 変更対象ファイル /
実装前の注意点 / 最小差分での方針
EXAMPLE 03 — GPT
Claude案を添削させる
以下はClaudeの実装計画。
士業サイト・BtoB・SEO/AEO・保守性の観点で
厳しめにレビューしてほしい。

観点:
方針の整合 / 先走り / 将来不便 /
既存破壊リスク / SEOの不自然さ /
もっと安全な進め方 / 止めるべき点

出してほしいもの:
良い点 / 危ない点 / 修正点 /
Claudeへの返信文
Appendix BGrowUp

APPENDIX B

公開前チェックシート(フル13項目)

本編は要点6に絞った。公開時の最終チェックリストとしてはこちらを使う。

# 項目 確認内容
01noindex公開時に解除されているか
02canonical各ページに正しく設定されているか
03OGPタイトル・画像・説明が設定されているか
04フォーム送信 → /thanks/ への遷移が動くか
05Turnstilebot対策が動作しているか
06Console errorDevTools にエラーが出ていないか
07横スクロール主要ブレークポイントで出ないか
08www→apexリダイレクトが効いているか
09robots.txtsitemap.xml への参照を含むか
10sitemap.xml全ページが含まれているか
11/thanks/noindex になっているか
12favicon設定されているか
13モバイル表示iPhone標準サイズで崩れがないか
Appendix CGrowUp

APPENDIX C

コラム運用テンプレート

frontmatter と運用フローの最小セット。スタッフ運用への入口。

frontmatter 例(Markdown 先頭)

---
title: "M&A仲介会社に相談する前に整理しておきたい数字"
slug:  "before-ma-broker-numbers"
draft: false
publishedAt: "2026-05-XX"
description: "..."
ogImage: "/og/before-ma-broker-numbers.png"
---

運用フロー

スタッフが Markdown で執筆
(draft: true)
H2 から目次自動生成 / プレビュー確認
税理士レビュー / 違和感を入れる
draft: false に切り替え / 公開

スタッフが Markdown だけ触る形にすれば、税理士は判断と最終確認に集中できる。