税理士法人GrowUp / 実践共有
プログラムを書けない税理士が、
AIで自社サイトを公開するまで
GPT・Claude・画像AI・人間判断を組み合わせ、
サービスサイトを自社主導で育てる方法
2026.05 / takamichi ochi
SECTION
今日お伝えしたいこと
Web制作会社に頼らない、という話ではない。 自分たちで判断できる状態をつくる、という話。
CONTENT
これまでの進め方と、今回の進め方
優劣の話ではなく、選んだ進め方の違い。
これまでの進め方
- 制作会社に依頼し、納品を受ける
- 修正は依頼ベース
- 公開後に止まりやすい
今回の進め方
- AIと役割を分け、自分たちで育てる
- 違和感を見つけたら、その日のうちに直す
- 公開後も小さく改善を続けられる
制作会社を否定する話ではなく、事務所側が判断できる状態をつくる話。
CONTENT
何が変わったのか
作れたことではなく、進め方そのものが変わった。
BREAKTHROUGH
過去の頓挫を越えた3つの転換点
フレームと中身は、AIラリーで前から作れていた。詰まっていたのはビジュアル領域。それが今回、解けた。
フレームと中身づくりは、AIラリーで前から作れていた。
最後まで走り切れなかったのは、ビジュアル領域。それが今回、解けた。
CASE
今回の事例:shiga-ma.jp
滋賀県の中小企業向け M&A・事業承継相談サイト。
DIRECTION
サイトの方向性
税理士法人としての必然性が伝わる方向に絞った。
避けたこと
- 高く売る、をうたう
- 買い手を探す
- 無料査定の導線
- M&A仲介会社風の売り込み
出したかったこと
- 数字整理(試算表・予測)
- 税金・借入・手残り・役員貸付金・個人保証
- 廃業/承継/M&Aの選択肢比較
- 滋賀県の地域性/士業らしい落ち着き
仲介会社が悪いのではない。税理士法人として何を担えるかを言語化した。
SECTION
AI制作チームの全体像 — 中心は人間
AIに丸投げしたのではない。
役割を分けて、人間が判断した。
CONTENT
誰が何を担当したか
AI と人間で、責任の重さの違うところに役割を置いた。
| 担当 | 役割 | 主な仕事 |
|---|---|---|
GPT |
戦略・構成・添削・改善 | 勝ち筋仮説、構成案、文章レビュー、Claude案の批判的添削 |
Claude |
実装計画・コード修正・検証 | サイトコード、リンク設計、動作検証、最小差分での反映 |
GPT Image |
画像生成 | アイキャッチ・ヒーロー画像・抽象イラスト |
人間(税理士) |
違和感・希望・最終判断 | 方向性決定、検収、公開判断、論調・表現の最終チェック |
PROCESS
制作ループ — どこで人間が判断するか
ループの中で、人間が握るのは「意図入力」と「検収」の2か所。
ループの順序
- 人間の意図を入れる(違和感・希望)
- GPT で大枠を考える
- Claude で実装計画を出す
- GPT でレビュー・添削
- Claude で実装する
- 人間が検収する(OK判断)
人間が握る2か所さえ手放さなければ、間のラリーはAIに任せられる。
PROCESS
サイト構築の全体フロー
9工程を時系列で並べる。各工程は1段ずつ AI と人間で詰める。
各工程の前に GPTで「この工程で何を決めるべきか」を確認、その後 Claudeで実装計画、人間が違和感を入れて 反映。 公開後の「改善」も同じループに戻る。
SITEMAP
実際のページ構成
11ページ。それぞれが「相談前のどの段階」に対応しているかで切り分けた。
/thanks/ は noindex。/column/ は今後 育てる枠。
NAVIGATION
導線整理:分散から、つながった構造へ
最初は下層が孤立していた。4本の動線でつなげた。
これまで(過渡期の自然な姿)
トップ内アンカー中心。各下層へ直接行く道が弱かった。
今回(つながった構造)
ヘッダー/フッター/CTA/対応エリアの4本で常時アクセスできる。
CHECK
公開前のチェックポイント
公開直前に必ず通した6項目(フル13項目は付録Bへ)。
フル13項目(robots.txt / sitemap.xml / www→apex / favicon ほか)は付録Bに収録。
AFTER LAUNCH
公開後にやったこと
Search Console 周りを6ステップで一周。当日〜翌日に終わる。
公開当日にここまでやると、翌日にはインデックス確認まで進める。
PLAYBOOK
同じように進めるための10ステップ
他事務所でもなぞれる順序。各ステップは1〜数日サイズ。
各ステップで「人間の意図入力」と「人間の検収」を必ず差し込む。
LESSONS
つまずいた箇所と対処
再現すると必ず通る3つの落とし穴。
| つまずき | 起きたこと | 対処 |
|---|---|---|
| よしなに実装 | プログラム関係は何が危ないか分からず、後から修復に手間取った。 | 実装前に GPTに計画を疑わせる。安全性/将来不便/既存破壊リスクを先に確認。 |
| AIの先走り | Claudeは指示を出すと一気に実装まで進めてしまう。手直しの方が重くなる。 | 「計画まで」「実装禁止」「ファイル変更禁止」のブレーキフレーズを明示。 |
| 公開設定 | Cloudflare Access の Application 削除UIが disabled で動かなかった。 | 削除に固執せず Bypass policy 追加で一般公開。元戻しも容易な状態に。 |
「よしなに」は危ない。AIに作らせる前に、AIに疑わせる。
AIにアクセルだけでなく、ブレーキも持たせる。
目的は「きれいに消すこと」ではなく、「安全に公開すること」。
COST
かかった時間と費用
高額な制作外注なしでも、既存AIツールと軽量なWeb基盤で検証できる規模。
コラム・地域ページはこれから育てる段階。
| 項目 | 金額感 | 備考 |
|---|---|---|
| GPT | 約3,000円/月 | 他業務にも使用 |
| Claude | 約20,000円/月 | Claude Max 5x プラン。他業務にも使用 |
| 独自ドメイン(shiga-ma.jp) | 約4,000円/年 | — |
| Cloudflare Pages | 追加費用なし | 既存無料枠の範囲 |
「無料でできる」ではなく、高額な制作外注なしでも検証できるという話。
AI利用料は他業務にも活きる。サイトは公開して終わりではなく、育てる段階に入る。
OPERATION
次に整えたい運用 — スタッフも関われる体制
Markdown と frontmatter を中心に、税理士の最終確認だけ残す形。
経営者だけでなく、スタッフも記事更新に関われる体制を整える。
自分たちで判断できる状態をつくる、という話。
APPENDIX A
AI依頼テンプレート(短縮版)
実プロンプトの要点。詳細版は別メモへ。
あなたは士業・BtoB・地域SEOに強いWeb戦略ディレクター。 M&A・事業承継サイトをつくる前提で、誰に何を どの順番で伝えれば問い合わせにつながるか、 勝ち筋仮説を出してほしい。 前提: - 税理士法人、滋賀県草津市 - 後継者不在 / 廃業前整理 / スモールM&A / 数字整理 - M&A仲介会社風の「高く売る/買い手探し/無料査定」 には寄せない 出してほしいもの: 勝ち筋 / トップ構成 / 下層候補 / 導線 / 避ける表現 / SEO観点
shiga-ma.jp の導線整理(ヘッダー・フッター・ トップ内リンク)。 まだ実装しない。ファイル変更禁止、計画まで。 制約: - 既存デザインを大きく壊さない - 存在しないページへのリンクは作らない - Console error / 横スクロール / リンク切れを 出さない 出してほしいもの: 推奨リンク / ヘッダー案 / フッター案 / CTA差し替え表 / 変更対象ファイル / 実装前の注意点 / 最小差分での方針
以下はClaudeの実装計画。 士業サイト・BtoB・SEO/AEO・保守性の観点で 厳しめにレビューしてほしい。 観点: 方針の整合 / 先走り / 将来不便 / 既存破壊リスク / SEOの不自然さ / もっと安全な進め方 / 止めるべき点 出してほしいもの: 良い点 / 危ない点 / 修正点 / Claudeへの返信文
APPENDIX B
公開前チェックシート(フル13項目)
本編は要点6に絞った。公開時の最終チェックリストとしてはこちらを使う。
| # | 項目 | 確認内容 |
|---|---|---|
| 01 | noindex | 公開時に解除されているか |
| 02 | canonical | 各ページに正しく設定されているか |
| 03 | OGP | タイトル・画像・説明が設定されているか |
| 04 | フォーム | 送信 → /thanks/ への遷移が動くか |
| 05 | Turnstile | bot対策が動作しているか |
| 06 | Console error | DevTools にエラーが出ていないか |
| 07 | 横スクロール | 主要ブレークポイントで出ないか |
| 08 | www→apex | リダイレクトが効いているか |
| 09 | robots.txt | sitemap.xml への参照を含むか |
| 10 | sitemap.xml | 全ページが含まれているか |
| 11 | /thanks/ | noindex になっているか |
| 12 | favicon | 設定されているか |
| 13 | モバイル表示 | iPhone標準サイズで崩れがないか |
APPENDIX C
コラム運用テンプレート
frontmatter と運用フローの最小セット。スタッフ運用への入口。
frontmatter 例(Markdown 先頭)
--- title: "M&A仲介会社に相談する前に整理しておきたい数字" slug: "before-ma-broker-numbers" draft: false publishedAt: "2026-05-XX" description: "..." ogImage: "/og/before-ma-broker-numbers.png" ---
運用フロー
(draft: true)
スタッフが Markdown だけ触る形にすれば、税理士は判断と最終確認に集中できる。